今年の個人目標にマネジメントの理解・実践を挙げています*1。9ヶ月間やってきて手応えもありますが、課題山積というのが正直なところです。残り3ヶ月で消化できるよう、懸念と疑問を列挙します。
コミュニケーションにおいて、マネジメントは何であるとされているか
マネジメントという単語は便利に使われすぎていて、使い手や状況に応じて定義がコロコロ変わる。〜Managerというクラス名がクラスの役割を何も表さないのと同じで、日常会話において「マネジメント」という用語を(その定義を確認せずに)用いるべきでない。
- ドラッカーの言うマネジメント
- そもそも定義が明確じゃない
- マネジメント 基本と原則には"役割"ばかり書いてある*2
- しかもそれがシンプルじゃないので、他者に対して概念を伝えるのが難しい
- 「地盤固め&きっかけ作り」と表現するのは乱暴?
- そもそも定義が明確じゃない
- それ以外の何か(感覚としては管理[control]に近い)
- プロジェクトマネジメント(工程管理・工数管理)が代表例
- ヒトより成果、イノベーションより成果の確実性に関心を持つ
- ドラッカーも成果に関心を持つが、それは目的(組織の使命を果たすこと、働く人たちを生かすこと)を実現するための手段と考える
- 129ページ「あらゆるマネジャーに共通の仕事」には目標設定が含まれているが、目標達成のための工夫(プロマネとか)は含まれていない
- 「組織の最終成果に直接の責任を持つ」との記載はある
以下「マネジメント」という記述は「組織の使命を効率的に果たすために必要な取り組み」の表現に用いるものとする。
マネジメントとMECE
マネジメント心得
- 基本は「人がすべて」、人がいないと何もできない
- 武闘家がほしいからといって適当に新人をアサインするのは不適、新人が「きれもの」かも(DQ的な意味で)
- この観点から、採用における「多様性の確保」の重大性に気づくことができる
- 多様性がない環境では、新しい業務を作ってもそれにマッチする強みを持つ人材がいないかもしれない
- 業務や目的からほしい強みを持った人材を逆算することは理論上可能だがコスト高
- 特に新卒採用では難しいと思われ、多くの企業が「最低ラインを超えていればOK」としているように見える
- 人を生かす条件その1:人にとって重要な要素を組織として保証する→マズローの欲求段階説とか
- 経営者・管理部レベル
- 生活の保障
- 所属と承認
- マネジメントレベル
- 所属と承認
- 自己実現
- 経営者・管理部レベル
- 人を生かす条件その2:強みを知る
- 正直難しい、自分のことすらわからない面が強い
- どんな特徴も強みであると言えるが、屁理屈と紙一重のケースも
- 最も基本となる判断基準は、言動が肯定的/批判的かどうか、根拠が思考/経験/伝聞かどうかを知ることではないか(仮説)
- 人を生かす条件その3:強みを生かす
- 能力と興味関心が備わった人材に仕事を任せるのが理想、興味を持っている人材に任せるのがベター
- 興味関心も大きな「強み」と考える
- 能力=成果が出る可能性よりは、興味関心=モチベーションの持続性・発展性を重視すべき→持続的な発展に繋がる
- 人を生かす条件その4:正のフィードバック
- 次の仕事を工夫するための情報・評価が本人+αにきちんと渡されること
- 他者がその達成プロセスを、脚色なく知れるとなお良い
マネジメント/マネジャーをいかに評価するか
- 「組織がきちんと成果をあげた」ことがマネジャーとしての評価につながるべきだが、いかに評価するか
- 「マネジメントしたからできた」ことを証明するのは不可能だし恩着せがましい
- 成果があがったのは実務者(専門家)の活動があったからであり、彼らの活動も評価されるべき
- 結果として「こういう取り組みを開始したから、彼がこう活動するきっかけができました」的な主張しかできず、プロセスの評価が困難
- 評価体制を変えたからモチベーションが上がったとか、アイデアを募ったから新規事業が立ち上がったとか
- そもそもこのような事柄は長期的視野を持って評価したい=組織における評価として不向き
- 日本人の美意識としては、マネジャーが「優秀な実務者(部下)が
一晩でやってくれました」と言い実務者が「マネジャーのお力添えあってこそです」と言う形が理想か- 組織外部→部下→マネジャー→よその部下……という評価の流れ(対流)が生まれる
- マネジャーが部下を評価するのはたぶん正しくない
- 弱みを認識しているなら、その人の評価を下げる前にやるべきことがあるはず
マネジメントされるために、「駒」はどうあるべきか
これもクラスと同じで、個性というか役割・責任が明確なほど頼れる。
- 能力のコンポーネント化
- なんでもできる人より、特化した人のほうが話を持って行きやすい
- 広く浅い知識も、現象と知識を紐付けることで適切な「特化した人」を呼ぶために役立つ
- 何ができるかを明確にするために興味関心を公言しておくのは大切、上だけでなく横にも
- 責任とは何か
- 信頼感のモト
- 常に責任を果たすこと
- 誤解を防ぐ意味でも責任を果たす意味でも、コミュニケーション(説明責任の遂行)が鍵になる
まとめ
- 安易に「マネジメント」という用語を使うべきでない、定義を確認
- 強みって何だ、強みを生かすって何だ
- マネジメント/マネジャーの評価は難しいが、見る努力をしたい
- 組織の使命を認識する/させること、強みを知る/知らせること、何よりもモチベーションと関係性が大切