医療関係
「看護覚え書」ナイチンゲールが書いた本ということで、初心を理解するのに良いかなと思って購入しました。超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)と合わせて、現代看護の成り立ちみたいなものに触れる良い機会になりました。システム実装やドメイン理解の役に立ったかというとNOですが、看護と聞いて自分が連想するものがとても狭いのだということはよく理解できました。
エンジニアリング
「情報セキュリティの敗北史」セキュリティがとても人間のウェットな部分をクローズアップするテーマなんだということを再認識した本です。マイクロソフト社のかつての過ちとか、様々な立場の人間が利益を最大化するために行動した結果として脆弱性が”活用”されているとか、ぱっと見たときに良さそうな選択肢(例えばバグバウンティ)が一歩引いてみるとそうでもないとか。
自分は性善説や理想論で動きがちな人間なので、改めて情報セキュリティめんどくせぇ奥が深いなぁと思いました。今後もちょくちょく振り返って手に取る本になりそうです。
「本質から考え行動する科学技術者倫理」 この春に放送大学の講義を受講しまして、残念ながら単位取得までは行かなかったんですが、この科学技術者倫理について学ぶ良い機会となりました。倫理というと高校の授業でやるやつですが、自分の高校の教師は歳を食ってある程度フラットに物事が見られるようになった今の自分から見ても疑いなくひどかったので、倫理についてはエッセンスも何もキャッチアップできていなかったんですよね。
失敗学の繋がりで回転ドアの話とかチャレンジャー号事件の話とかは知っていたのですが、AI技術の進展を踏まえた議論などは初めて見たので、きちんと学び直したいなと思い放送大学の講義資料とは別にこの教科書を購入しました。スタートアップで社会課題の解決にもがいていると前人未踏の問題領域に踏み込むことは多く、多かれ少なかれ倫理的判断が求められるシーンはきっとあると思うので、情報システムで社会に切り込むスタートアップに在籍しているタイミングでこの本に出会えて良かったと思います。
「一級建築士矩子と考える危ないデザイン」は単行本を購読しているマンガ「一級建築士矩子の設計思考」のスピンオフ?と言いますか、マンガのキャラクタを拝借して危ないデザインを紹介するというものです。元のマンガを購読していなくても楽しめますし、建築関係なくユーザインタフェースの設計・開発をするITエンジニアには広くおすすめです。
個人的には自分の母校のデザインがかなり危なかったのだなぁということに気づき、ちょっと怖くなりました。1階の庇に柵がついてないのに2階から乗ることができたんですよね。当時はそういうものだろうと思っていましたが、改めて考えると悪いデザインだったと思います。日頃の周囲を見る目が変わる1冊でした。
その他
建築好きなのでちょくちょく間取りや設計、建築についての本や雑誌を買っているのですが、今年は商店建築に加えてこちらの「お宿図鑑」を買いました。スケッチがとても美しく細かくて、自分が現地に赴いても発見できないだろうなと確信できる内容盛りだくさんでした。
掲載されているお宿はおおむね子連れで行ける宿というか、いずれ親と行きたい宿という風情ですね。この本を読んで、家族でゆっくりとした時間を楽しめる未来がより楽しみになりました。