記事にしたやつ
職場でオススメされた「両利きの経営」を読んで記事にしました。「知識創造企業」もオススメされているので来年読みたい。
医療関係
医療関係エンジニアのはしくれとしてある程度の情報収集は心がけているのですが、今年読んだ中ではこの「再考・医療費適正化」がダントツで面白かったです。医療費問題は医療の持続可能性を考える上で避けて通れないのですが、実は地域性も色濃く出る問題なのだということがよくわかりました。
医療情報技術関係の雑誌もいくつか試していますが、現時点では新医療がダントツで読みやすいです。特集もセキュリティ寄りの医療情報技師である自分の関心に近いものが多く、また連載もけっこう楽しいです。多要素認証は大切だけど、医療現場でどう運用するんだ*1みたいな疑問もきちんと掘り下げた話を載せてくれていたりします。医療情報技師なら事業者側でも医療機関側でも読んで損はないんじゃないでしょうか?
読んだ。移動をなくして患者対応に使える時間をコンスタントに増やした話とか、情報交換の場だったナースステーションが無くせた話とか、IT活用の事例がたくさん載っていてありがたい。透析排水が水道管に与える影響の話も興味深かった
— 新米医療情報技師 (@Kengo_TODA) 2023年5月8日
月刊新医療 2023年5月号https://t.co/xCThhARBZD
エンジニアリング
大工に縁のある人生だしマイクラみたいなゲームも好きだしエンジニアリングでご飯を食べてもいるので、建物や設計についてはちょいちょいつまみ食いをしています。今年読んだ中では「一級建築士矩子の設計思考」が面白かった!図面を書くときのワクワク感がすごい伝わるし、設計や構築の裏側にある考察や気配り、法制度なども見えてきて知識欲が満たされます。
お酒や建築関係の知識がちょいちょい出てくるのも面白く、私はこのコミックスをきっかけに最寄りの蔦屋書店で商店建築を買うなどしました。都心の呑んべぇにはまた違った価値がある本なのだろうと思います。
こっちの「船の科学」も良かった。モジュールごとに開発して最後に組み上げるとか、納品前に性能試験をするがその際のやり方が国際的に決まっているとか、こちらもソフトウェア開発に通じるところがありそう。
ソフトウェアエンジニリングの現場感というか勝ちパターンのようなものが見えてくると、こうして外の分野におけるやり方から学ぶことで変な常識を頭から外せると思っているのですよね。そういう意味でシステム開発のワークフローを作っている人には参考になると思いますし、もちろんものづくりのプロセスやその背景にある科学について興味がある方もぜひ読んでみたら良いと思います。
その他
「結婚するって本当ですか」完結おめでとうございます!ラブコメで引き込みつつも、わかりやすくデフォルメされつつも丁寧な描写で家族や愛について考えさせてくれる名作です。この家族がこれからも幸せに生活できることを願っています。
「ダンジョン飯」完結おめでとうございます!モンスターを食うという奇天烈さをもって売り込まれた第一巻でしたが、完結まで追ったら普遍的かつ本質的なテーマを地盤に持っていたのだと再発見させる内容でした。また最初から読み直したら新たな発見がありそうです。
「誰も農業を知らない」子供に何を食べさせるかを日々考える立場として、とても考えさせてくれる内容でした。遺伝子組換え作物も農薬も、こうしてきちんと論じられると有り難みがわかりますね。どちらも(自分の中では)最初の印象でだいぶ損をしていたので、こうして実態を再整理して認識しておくことは今後の生活に役立つと感じました。
そして最後、今年読んだ一番面白かった本を聞かれて答えたのがこちらの「うんち学入門」です。対話を通じて掘り下げる書き方をしていて変わっているなぁというのが第一印象でしたが、その書き方が内容にマッチしていてすごく読みやすいんです。本としての起承転結に結びつくのもそうですが、すでに学んだ内容とのつながりの指摘や新たな疑問点の提示などがキャラクターによってなされることでここまで科学的な読み物が読みやすくなるのか!というのは感動的な発見でした。
この本には組成のようなうんちそのものについてももちろん書いてあるのですが、うんちを起点とすることで生物や進化、生態系まで幅広く学べるのが特徴的です。知識欲を満たすのに最適な一冊だと思います。
*1:手袋マスク装着とか、短期契約の働き手が多いとか、固有の問題が多い