みんな大好き、State of DevOpsの2021版が来たぞーhttps://t.co/7yFtAblwFn
— Like a Galarian Linoone (@Kengo_TODA) July 21, 2021
ということでスキマ時間に読み進めていたので、感想と面白いと感じた点をまとめときます。網羅性が高く公平なまとめが必要な方は、3〜4ページに掲載のExective Summaryをおすすめします。
テーマは「中間層からの脱出」
6ページ目を見てもらえれば一目瞭然、今回のテーマは生産性が高くできず中間層で留まっているチームに対する処方箋の発見にあるようです。
近年のレポートは「今更それは無いでしょ」って感じのLow levelが5%強、「リアルチートじゃん」って感じのHighが10%強で、ほとんどのチームがMiddleに属していました。ごく少数の上澄みが高いパフォーマンスを出していて、その鍵となるKPIもベストプラクティスもわかっているのに、ほとんどの中間層は現状から脱出できず指を咥えて見ていた……と言ったら言いすぎでしょうか。この8割を占めるMiddle levelをさらに細分化し、中間層を脱するための働き方を見つけようということです。
DevOpsのやり方がだいぶ浸透してきて「何を計測し何をやるか」から「どうやるか」に関心がシフトしてきたとも言えます。同じ6ページにはDevOpsについて語ることよりも働き方について語るチームが多いことが述べられています:
In fact, many of the teams that are “doing DevOps” well don’t even talk about DevOps anymore—it’s simply how they work.
面白いと思ったところ
- トップダウンによりボトムアップ型の改革を可能にする (p.11)
- 経営の協力は当然必要というか「DevOpsによる生産性の向上=経営の関心事」という大前提がこのレポートには感じられる
- 生産性が低い組織はリスクを避けるためにリスクを増大する手段を選択する傾向にある(p.31)が、これも部下を信じられない・Continuous Deliveryの適用をためらう経営なのではと思った
- executive summaryによれば何でも話して疑問を解消し論点を明確にできる組織が高い生産性を持つわけで、マネジメントやリーダーの日々のコミュニケーションの賜物なのだろうと思った
- DevOpsチームの存在は組織の進化を助けず、その曖昧な責務が組織に混乱をもたらす(p.13)
- 開発とオペレーションの間に独立したDevOpsチームを配置するのはアンチパターンとして知られる(p.13)
- 高度に進化した組織にとって文化は障害にはならず、これこそが高度に進化した理由である(p.14)
- Team Topologiesという概念の導入(p.17)
- Fast flow(p.16)実現にとっての障害を取り除くことに注力するものである(p.29)
- 役割が多く、小規模のチームに当てはめるのは難しそうだと感じた
- これを実現するための教育はどうやるのだろう?各チームの役割について専門家を探すのも難しそうな気がする
- internal platformsについて
- 2020でも触れられたが更に掘り下げて説明している(p.36)
- 社内向けシステムを構築する際に利用できる認証・認可・デプロイ・保守・監視に使えるPlatformという理解をした
- データレイクにおけるデータカタログとかも入ってくるんだろうなという理解をした
- 高度に進化した組織はこうした基盤をinternal customerのビジネスを理解してエンジニアに構築提供している(p.30)
- こうしたplatform teamがあっても生産性が向上するとは限らないが、DevOps transformationを加速できる(p.30)
- 標準やルールではなくサービスを提供するということ、すなわち人をチームを信じることが肝要なのだと感じた
- DevOpsの進化とinternal platformsの利用状況には関連がありそう(p.18)
- 知識やベストプラクティスを他のチームと活発に共有することが生産性と関連しており、(p.19) これこそがMid levelを脱出するためのとっかかりになる(p.29)
- だからこそ「でも保守(conservatism)も必要だよね」というCTOコメントが面白い(p.31)
- 他チームがデプロイの課題を解決したことについて話す事例(p.28)があり、チームの壁を超えて課題解決や挑戦について共有する仕組みや文化が必要なのだと感じた、成果発表会のような季節性の仕組みでは動作しなさそう
- Chat、金曜のメール、月次学習セッションといった共有手法の一例が共有されている(p.29)
- 文化を嘆くのをやめて手を動かせ(p.28)
- これ個人的にはとても気に入った、文化は個人の持ち物ではなくmutabilityを確信できないので
- 表層の変えやすく失われやすい変化ではなく、5 Whyで組織文化の根っこを変えよう (p.32)
- 日々正しい方向に組織の振る舞いをnudge(誘導?)していこう(p.32)
過去ログ
2019と2020の感想はTwitterを漁れば出てきます。