文化の背景に「中庸」などの考えがあると聞いたことから、岩波文庫の論語を読み進めています。原文と読み下し文がついているので、中国語の勉強にもなんとなくなるんじゃないかとも期待しています。あまりに古いので、口語としては使えないでしょうが……。
- 作者: 金谷治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/11/16
- メディア: 文庫
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論語を聖書に比べると、登場人物により人間臭さを感じます。聖書はイエスを売ったユダにしろ3度知らないといったペテロにしろ初の殺人者となったカインにしろ、悪いことする人はなんの躊躇もなくどーんと行動する「悪しき装置」として描かれる*1気がします。が、論語に出てくる人は下心の描写があると言うか。いや聖書と比べること自体が妙なんだと思いますけど。
で、読んでると「あぁこれ日本でも聞いたことあるな」という感じの言い回しが出てきたりするんですね。中国だけでなく、日本の文化にもかなりの影響力のある本なんでしょうか。以下、面白いなぁと思った箇所を備忘録的にまとめます。
已矣乎!吾未見能見其過,而內自訟者也
http://www.yasue.cc/gung_chi_cheung_dai_ng.html
ざっくり言うと「何でも人のせいにしやがってコノヤロー」的な感じ*2でしょうか。いまでも「すべての問題を自分のこととして考え、解決しなさい」とか言われますが、わりと近いかも。
知之者,不如好之者,好之者,不如樂之者
http://www.yasue.cc/yung_nga_dai_luk.html
知ってる<好きである<楽しめる ということらしいです。エンジニアには非常に身近な間隔なんじゃないでしょうか。好き=楽しめるなんじゃないかとも思いますが、細かいニュアンスにおいて違いがあるのでしょう。