入社から2年が経ち"新人"から"中堅"へと変化することを求められているいま、仕事上の判断基準やコミュニケーションツールとして経済や経営、マネジメントを学ぶ必要性を感じています。特に古典的な経済の知識は経営者の言葉に出てくることが多く、頭にいれなければ今後のインプットの質と量を低下させかねません。
そこで自習の一環として、昨年末からドラッカー氏の著作"マネジメント 基本と原則"のエッセンシャル版を読み進めています。
- 作者: ピーター・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/12/14
- メディア: 単行本
- 購入: 184人 クリック: 6,739回
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この本を読んで考えたことを不定期にブログにアウトプットしようと思いたち、この記事を書いています。書評や批判ではなく、氏の著述を"粘土あそび"のようにいじることで多角的に考える機会としたいと考えています。
なぜこの本を手に取ったか
チャンドラーやコトラーなど著名な方々が数多くいらっしゃるのにも関わらずドラッカーを選んだのには、理由があります。実はこの本を手に取る前に"女子ドラ"を読んでいるのです。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 作者: 岩崎夏海
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
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この本は本屋で何度か見かけていたのですが、装丁が気に入らない*1ため手に取ってはいませんでした*2。しかしその後、同年代であるHashさんのブログとiNutさんのブログで扱われていることを知り、先入観を捨てて読むことにしたのです。
読んだ結果、小説としてはもの足りない*3ものの"マネジャーと呼ばれる方々が何を基準としどう考えているかという事例"として非常に掴みやすく感じました。と同時に、この基準こそが今の自分に必要なものであると感じたのです。
特に技術者が集う組織で働く上で「専門家」に関する記述が役立てられそうだと直感しました。
専門家は専門用語を使いがちである。専門用語なしでは話せない。ところが、彼らは理解してもらってこそ始めて有効な存在となる。彼らは自らの顧客たる組織内の同僚が必要とするものを供給しなければならない。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(p93)
知識と自らのものとする上で知識を実践できるフィールドを持つことが非常に重要であることは、短い人生で学んだ数少ない事実。そしてここに自らのニーズ(経済や経営を学ぶ)とフィールドに合った著作があることが分かった。このことから、この"マネジメント"を最初の一冊に選んだのです。
この場を借りて、この本を手に取る機会を与えてくれたid:Hashさんとid:iNutさんに感謝いたします。ありがとうございました。
なぜマネジメントか
しがない開発者の私が、なぜマネジメントに興味を持っているのか。この動機は今後書く記事の方向性に影響しますので、これに関しても簡単に触れておきます。
ひと言で言えば……まずはドラッカーというフレームワークを知り、身近な人からワザを盗み、仕事に応用したい。これが私がドラッカーを学ぶ動機です。
最大の理由は上司の視点に近づくためです。近づく理由は上司が何考えているか不明だから──ではありません。ワザを盗みたいからです。
私の上司はかなり理想的な方です。特に部下の成長機会を設けることに関しては、私が今まで会ったすべての社会人を凌ぎます。そこでそのワザを盗みたいと考えるのですが、そのためには「こう考えて仕事を割り振ったのか?」「なぜこのタイミングで私に声をかけたのか?」などの疑問に対する仮説が必要です。仮説を立てずに「なんでしごとをわりふったのですか?」と聞いても答えてくれるでしょうが、自分の中に仮説という名の"芯"がない限りそれが腹に落ちることはないでしょう。この仮説の出所として、マネジメントを利用したいと考えています。
また、上司の視点に近づくことは上司の仕事を助けるきっかけを生むかもしれません。May I help you, boss?と言うためにもこの視点は重要です。
もうひとつの理由は、単純にマネジメントに活かすためです。確かに私は新卒のしがない開発者ですが、それでも若干名の後輩がいます。たとえ技術・知識面で私の方が劣っていても、よりクレドを理解する者としてマネジメントを行う必要が生じるのです。
今抱えている問題を解決する鍵になるのは、技術なのか教育なのか人事なのか。それがわからないからこそ、総合的な判断基準になりうるマネジメントを学ぶ必要性を感じている。
http://twitter.com/eller86/status/7186124024
以上が今マネジメントに興味を持っている理由です。自身の知識や技術を周囲に広げ役立てることを今年の抱負に据えたこともあり、マネジメントは今年学ぶべき重要な課題のひとつであると言っても過言ではないでしょう。
今後学舎や職場で得た経験と照らし合わせながら"粘土あそび"をすることで、理解を深めていきます。