Kengo's blog

Technical articles about original projects, JVM, Static Analysis and TypeScript.

最近読んだ本

今日は日曜日ですが中国では出勤日です。国慶節に向けて休日の移動が発生しているのですね。

さて最近読んだ本の紹介です。電子書籍中心の生活をしていますが、これらはまだ紙の本での入手でした。こういう本も電子化されると、私みたいに海外で暮らしている人には嬉しいのですが。

心の筋トレの話、モチベーションの話、ブランドとミッションの話が面白いです。チームと働く上でどうモチベーションを上げてもらうか・どういう発想を持ってもらうかというのが大切なのは常日頃実感していて、それが経営のレベルになってもそんなに変わらないのかなという印象を受けました。 あとはサービス業であっても経営者の仕事は環境づくり・気付きの機会づくりがほとんどなのだなぁと。店長や店員に動いてもらう・考えてもらうためにどう伝えるかに腐心する話とか。自分の場合だと、日本企業の持つイメージと自分の企業の実際のギャップをチームメイト(全員外国人)に認識してもらいつつ、自分の企業の特徴をうまく活かした自己成長を想像し目指してもらうことが第一の課題なわけですが、今悩んでいることが40年後にも活きるのだと思うとすごく良い成長の機会を与えられているのだなと実感します。

おいしい穀物の科学 (ブルーバックス)

おいしい穀物の科学 (ブルーバックス)

「コメは粒のまま食べるのに、コムギは粉にするのはなぜか?」なんて考えたこともなかったし、その裏に科学的合理的な理由があるとは!トウモロコシは実が包まれていて鳥害に強い上に運搬も楽だから山岳地帯にも向いているとか、普段目にしているものが長年選ばれてきた理由や人との関わりの中でどう姿を変えてきたかとか、雑学を超えた面白さがあります。

特に興味深かったのは、コメの利用には土器の誕生が強く関係しているという話。加熱にも食事にも必要ですものね。縄文時代から土器・青銅器・鉄器などの器・道具が発達してきていて、それが農耕の生産性に寄与してきたのは知っていましたが、そもそも植物の摂食利用に必要だったのですね。学校で歴史を学ぶときにこういうことを知っていると、なぜそんなに土器や貝塚について学ぶのかをもっと深く理解できたように思います。 他にも竹を使い捨て食器として使える(土器のような器を必要としない)地域があり特殊な文化が育ったとか、コメは集落を作りやすいとか、稲はなぜ田植えするのかとか、コムギを中心とするには石臼が必要で定住向けだとか、なるほどなぁと思わされるものが多かったです。

朝に効く薬膳 夜に効く薬膳

朝に効く薬膳 夜に効く薬膳

引き続き薬膳を学んでいますが、すごい単純に言うと旬のものをまるごと食べなさい(一物全体・身土不二)に集約されるようです。雨が多い時期には水分を出す食べ物が旬を迎えるし、乾燥する時期には喉や肺を潤す食べ物が市場に出回るので、適宜それを取りなさいねと。 喉が乾燥していた時にレストランでなんとなく梨のジュースを選んで、あとで梨の効能を調べてふーんと思う時もありましたので、食べ物の効能については知識以前に本能や経験のレベルで理解しているのかもしれません。

健康状態の診断と改善に五行とか気血水とか考えられるようになるとまた違ってくるのでしょうが、そこまで大きく体調をくずすこともなく健康に暮らせているので、しばらくは活用の機会はなさそうです。

詳説日本史研究

詳説日本史研究

教科書ですね。オビに「大学受験に必携」って書いてあります。

海外で暮らして「外国人」の女性と結婚して、やっぱり日本人であることや日本の歴史を見なおす機会は増えています。最近興味深かったのは、日本では「終戦の日」「原爆の日」として認識・報道している日が中国では「ポツダム宣言の日」として報道されていたことで、当然ながら立場によって見方も認識も違うのだなぁということを再認識した次第です。

この本では日本の歴史について再度学んでいて、鎖国時の出島の役割について奥さんに話す際に参照したりしました。頭から読み進めるというよりは、適宜参照する使い方をしています。

日本の起源 (atプラス叢書05)

日本の起源 (atプラス叢書05)

まだ頭しか読んでませんが、天皇の起源や権力者同士の争いについて様々な説が紹介され楽しめています。「穀物の科学」で読んだコメの生産性が集約労働であがることやコストをかけるだけ収量を増やせることと合わせて読むと、当時の権力者の闘争にリアリティを感じることができます。

あと歴史の専門家が話しあうという形をとっていて、資料や説から一歩引いてそれらを俯瞰する立場で話が展開されているのが素敵です。歴史は勝者によって都合が良いように書き換えられるそうですが、そうしてできた資料をただ紹介するだけでなく「これこれこういう背景があったからこういう書き方をしているのかもね」という話をしてくれるので、知識のない素人でもいろんな見方が楽しめます。